今読んでいる皆さんの中には、このような悩み・経験はあったのではないでしょうか?
- 時間をかけて見積作成したのに大きく値引きされた
- 親方から値差しされた工事を請け負ったら赤字になった
- 追加工事を請負ったが、協力会社からの請求金額が予算より多く利益が残らなかった
現場にいると、頻繁にこんな話を聞くことがあります。
この記事では、少しでもそのような事態が起こらない、減るようにするためのポイント・コツが分かります。
少しの工夫で利益が全く変わってきます。
すぐ実践できる内容になっており、工事を請負う一人親から中小企業まで、工種に限らずヒントになると思いますので是非、最後まで読ん頂いて実践してみてください。
スーパーゼネコンから個人事業までそれぞれの立場で、
10年以上、工事請負に関わる経験してきた筆者も、現在も実践している内容になります。
ただし、工事を請負うまでには、
契約書、発注指示書、請書など、様々な交わした方が良い書類もありますが、小規模事業の方は行っていない場合が多いので、こちらの記事では省きます。
結論
結論から言うと
タイトルにある通り、まずは“利益の残る見積書”を提出した後、工事を請負うようにしましょう。
当たり前だろ!という声が聞こえてきそうが
少なからず、この記事を読んで頂いている方の中には、見積書を提出しなかった為に過去に痛い経験をされた事があるのではないでしょうか。
工事を請負うとは、文字の通り“請けたら負け”と書きます。
再認識するためにも目を通して頂ければ、きっと新たな気付きが発見できるはずです。
なぜ見積書が必要なのか
それは、主に以下の理由があると筆者は考えているからです。
- ・工事内容を整理・明確にするため
- ・材料等の仕入れ、外注依頼する際の適正支払額を把握するため
- ・粗利益の見込みを確認するため
見積書は、提出するだけではなく、
“相手に見えない内部情報”を把握するためにも必要になります。
それぞれ内容を見ていきましょう。
工事内容を整理・明確にするため
仕事は、まだまだ口頭で依頼されることが多く
聞いた内容と、実際の内容に間違いがあったり、請負う範囲に違いが生じます。
例えば、A社からB社へタイル張替え工事(材料支給)を1日間で依頼したとします。
B社はタイル貼手間のみの認識で、工事を請負う金額を口頭提示し作業員を手配
A社は、“既存タイル撤去手間”も含んで依頼した認識だと、どうでしょうか。
結果、その時点で、1日で終わらず、2日要したとしたら1日分赤字となってしまいます。
想像以上にこのような内容は日頃から起こっています。
また、工事規模に関わらず、必ずと言っていいほど他業種との兼ね合い、既存物との取り合いなどの外的要因により、想定外の事が起こります。
そのため、見積書を作成し、お互いの相互確認を行った方が良いのです。
材料等の仕入れ、外注する際の適正支払額を把握するため
工事が終わり、いざ清算する際に以下の事はないでしょうか。
- A社、B社以外にC社の支払いもがあったのを忘れていた
- ホームセンターで材料を買っていたのを忘れており、見想定より利益が下がった
- 工具類の消耗品をそもそも見込んでおらず、日当に含んでいる
上記のような事を少しでも減らすために、事前に見積書に見込んでおく事で想定外の出費を抑えることができます。
粗利益の見込みを確認するため
ここで例を挙げてみましょう。
100万円で工事を受注したとします。
100万円以内に工事費を抑えようとしたが、工事内容を詰めきれていなく
99万円の支払いが発生してしまった。
結果、1万円の利益(利益率1%)となった。
これでは工事を請負う旨味がありません。
必ず見積書では、支払額を把握し盛り込んだ内容で提出するようにしましょう。
ちなみに筆者は、粗利約20%を目安にしています。
または、工事金額が低ければ、諸経費を除き、自身の日当単価×必要日数を目安としています。
見積書に必ず明記するもの
見積書には、必ず“見積条件”を記載するようにしましょう。
どんな内容を“条件”とすれば良いのか。
- 材料は支給なのか、含んでいるのか、指定メーカーなのか
- 作業時間は昼間なのか、夜間なのか
- 作業日は平日か、土日祝か
- 作業環境は特殊な場所か
- 工期は一般的な期間か、突貫なのか
- 含んでいない工事はあるか
- 別途費用の掛かるものはあるか
ポイントは“普段から見込んでいるもの”を条件として記載することです。
利益が残る見積作成のポイントとコツとは
まず基本的な見積構成は主に以下の3つとなります。
- 表紙
- 見積条件書or工事条件書
- ※条件が少ない場合は、表紙や明細の余白欄に記載でも問題ありません)
- 明細書
利益が残る見積書を作成するためには【明細書】をいかに細分化できるかです。
とても重要なのでもう一度言います。
“明細書を細分化“することが利益を残すために重要となります。
本記事で一番伝えたい内容になりますので
具体的に掘り下げていきますので、以下の解説を読み進めてください。
明細書を細分化
①具体例
②作成のコツ
①具体例
私の協力会社から来る見積書はこのような内容がほとんどです。
見積書明細を添付
どうでしょうか。
確かに工事をすることはできるでしょうが、
何を見込んで、何を除外しているのか、聞かないと分かりません。
②作成のコツ
では、上記の見積を私が作成し、施主へ提出した際の見積を見てみましょう。
見積書を添付
筆者愛用(自作)の見積書Excelフォーマット
今まで利益の残る見積作成のポイントやコツを話してきました。
ケンセツ.comでは、今まで述べてきた内容も網羅している
筆者が今も使用している見積書Excelフォーマットをコンテンツとして販売しています。
興味のある方は、以下の記事を読んでみて、購入をご検討いただけると嬉しいです。
当記事をここまで読んで頂いている方には、必ずお役に立てるはずです。
・筆者愛用!自作Excelフォーマット(現在準備中)
見積書の作成が面倒な人に向けて
それでも、Excelシートも触ったことがないし、
手書きだから面倒くさいという方は下記の記事を参考にしていただければと思います。
・時間効率バツグン!見積作成ソフトのススメ(現在まとめ中)
間違いなく今までの作業量が激減したり、業務を効率化することができ
工事や手配に専念できるようになるでしょう!
まとめ
この記事では、以下について解説してきました。
- 結論
- なぜ見積書が必要なのか
- 必ず明記するもの
- 利益が残る見積作成のポイントとは
- 筆者愛用(自作)の見積書Excelフォーマット
- 見積書の作成が面倒な人に向けて
- まとめ
これらを実践して頂くと
少なからず協力会社や外注先への支払いを値引きすることも減り、より関係が良くなるサイクルへ入っていきます。
請負人は、協力会社と一体になって初めて工事を行うことが出来ることを決して忘れてはいけません。
- 請負金額が大きくなってきた方
- 物件数が増えてきた方
はこちらの記事も是非合わせて読んでみてください。
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